アルト動物病院

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ワクチン接種を考える

ワクチン接種を考える。

ワクチンって、なに?

  • 怖い病気から身体を守るために作られたお薬です。
  • 数多くの病気がありますが、動物病院のワクチンは、伝染力が強く、命に直接関わる病気に対して使われます。
  • 接種することにより、その病気に対する防御力を高めることが目的です。

ワクチンの必要性

動物の身体にはもともと免疫という防御力が働いていますが、それだけでは怖い病気相手には足りません。ワクチン接種することで病気と戦う力を増やすことが出来ます。

多くのワンちゃんがワクチン接種すれば、病気の蔓延自体も抑えることができます。

また子犬には移行抗体という防御力が母乳を介して受け渡されていますが、時間と共になくなっていくので、なくなる頃に追加でワクチン接種する必要が出てきます。

移行抗体がなくなる時期はその子によって様々です。生後一月半~三ヵ月くらいでなくなることが多いです。

なんで何回も打つの?

移行抗体が残っていると、ワクチン接種してもワクチン自体を防御してしまいます。
移行抗体が無くなるくらいの時期に接種しなければなりませんが、実際いつ無くなるのかわかりません。
そのため子犬期には何度も接種する必要があります。

ワクチンの種類あれこれ

コアワクチン(すべてのワンちゃんに必要)
  • 狂犬病ウィルス(日本では義務)
  • パルボウィルス
  • ジステンパーウィルス
  • アデノウィルス

伝染力、致命率が高い怖い病気です。子犬期にしっかりとワクチン接種が必要です。狂犬病に関しては日本は毎年接種する必要があります。免疫力が持続するために、最近の研究では子犬期以降は3年間隔以上で接種で問題ないと言われています。

ノンコアワクチン(散歩によく行くワンちゃんに必要)
  • レプトスピラ(人獣共通感染症)
  • パラインフルエンザウィルス
  • ボルデテラ
  • ボレリア

散歩やペットホテルに行くワンちゃんに推奨されます。完全室内の子には必要ありません。接種する場合は免疫力の持続が短いので、毎年接種する必要があります。レプトスピラは秋に発生することが多いので、夏に接種すれば良いです。

非推奨のワクチン
  • コロナウィルス(新型コロナウィルスとは無関係)

このワクチンを接種したとしても腸内の感染症を予防できるという科学的な根拠は弱いです。現状接種の必要ありませんが、混合ワクチンに組み込まれているものもあります(当院が以前使用していたワクチンにも組み込まれていました)。

ワクチン接種間隔(成犬期)

週齢 コアワクチン コアワクチン ノンコアワクチン
8週齢 5種ワクチン レプトスピラ
12週齢 5種ワクチン 狂犬病ワクチン レプトスピラ
16週齢以降 5種ワクチン
52週齢~ 5種ワクチン 狂犬病ワクチン レプトスピラ

ワクチン接種間隔(子犬期)

年齢 コアワクチン コアワクチン ノンコアワクチン
1才 5種ワクチン 狂犬病ワクチン レプトスピラ
2才 抗体価 狂犬病ワクチン レプトスピラ
3才 抗体価 狂犬病ワクチン レプトスピラ
4才 5種ワクチン
(or抗体価)
狂犬病ワクチン レプトスピラ
5才 抗体価 狂犬病ワクチン レプトスピラ
6才 抗体価 狂犬病ワクチン レプトスピラ
7才 5種ワクチン子犬期
(or抗体価)
狂犬病ワクチン レプトスピラ
8才 抗体価 狂犬病ワクチン レプトスピラ
9才 抗体価 狂犬病ワクチン レプトスピラ
10才から毎年 5種ワクチン
(or抗体価)
狂犬病ワクチン レプトスピラ

抗体価??

コアワクチンを接種したことにより獲得した免疫力が、身体のなかにまだ残っているかどうか確認することができます。
免疫力が残っている場合は、追加でのワクチン接種は必要ありません。
デメリットとして、検査費用がワクチンより高価、検査に時間がかかる、などが挙げられます。

ワクチン接種まとめ

  • ワクチンはすべてのワンちゃんが接種する必要がある。
  • コアワクチンは成犬期(2歳)以降は、抗体価測定して免疫力が持続していれば、3年間隔以上での接種で良い。
  • 狂犬病ワクチンは日本では毎年接種しなければならない。
  • ノンコアワクチン(レプトスピラ)は散歩によく行く子は毎年夏に接種する。
  • 高齢(10才以上)は免疫力が落ちやすいため、リスクが高いワンちゃんは毎年のコアワクチン(あるいは抗体価)、ノンコアワクチンが必要。
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